「嫌消費」 其の二
「クルマ買うなんてバカじゃないの?」という「嫌消費世代」の彼らは今、20代後半。
そろそろ結婚して、子どもができて、次は「マイホーム」という時期が迫りつつあります。その時、彼らがどのような住宅に価値を見出していくか、興味深く思っています。
現在、政府は「スクラップアンドビルド」から脱却するため、「長期優良住宅」という制度を昨年から施行しています。
自民党政権下、福田首相が唯一具体的に政策を発表した「200年住宅」というものが基本法となったものです。
日本の平均築後経過年数は約30年。
イギリスの約77年、アメリカの約55年に比べると確かに短い。
環境負荷の低減や建替えに係る費用の削減など、いかにも「嫌消費世代」にマッチしそうな政策のようにも思えますね。
でも果たして、「長期優良住宅」という制度は200年後、欧米のように重厚な街並を造り出せるでしょうか?
この制度は所定の基準を満たし、予め申請し認定を受けるものであるが故、ハウスメーカーが得意とする分野であり、制度に詳しい方にお聴きすると制度自体そちらよりの制度になっているようです。
このままハウスメーカーによる「長期優良住宅」化が成功すると200年後の街並は、もう既に現状より恐ろしい寒々とした光景になってしまうことが容易に想像できますよね。
更に悲惨な可能性もあります。
200年とは言わず、仮に100年保ったとしましょう。
100年というと3世代前に完成した住宅になります。
試しにいろいろな方に尋ねてみました。
「ひいおじいさんが建てたハウスメーカーの家、欲しいですか?」と。
みなさん口を揃えて「要らない」と。
まさに「負の遺産」
価値ある物を長く愛せるかどうかは、所定の基準を満たし、予め申請し認定を受けるものではないはず。

昨年見学に行った高山の街並や「吉島家」は「長期優良住宅」の素晴らしいお手本のように思います。

「嫌消費世代」が本当に価値ある住宅を見極め、200年後に素晴らしい街並が形成されているように、私たちも頑張らなければなりませんね!