「かけがえのないもの」
昨年、既存住宅の門塀、庭の設計をさせていただきました。
その際、門の照明をどのようなものにするか検討しましたが、なかなか良いものを提案できずにいました。

来客者を門へ導くため、軒裏に光を当て立体感を出したい
足元への照度確保のため、石畳にも光が欲しい
石積みや木組みに浮かない、素材感あるもの
これらの要望を満たすものは照明メーカーにはありません。
また照明作家さんも内部用の製作はするけど、防水上、外部用の製作をする方はなかなかいません。
そもそも「ある一定の型に嵌まった、標準化され、大量に生産されたものから選ぶ」という発想が間違いでした。
生産者の意図に合ったモノに生活を擦り寄せるのではなく、自分に必要なものを作ることが「ものづくり」の原点。
そこで自分達でいくつかデザインしたもののモックアップを製作。
全体のフォルムを考慮しながら、角度と開口率の調整をし、配光テストを実施。また防風、防水等、長期外部環境でも耐え得るディテールの検討をしました。
こうして作られたものは、クライアントも作り手も愛着を感じるものができあがる。
消費されない、取替不可能な「かけがえのないもの」だ。
普段設計している「住宅」においてはそれを心掛けているが、その環境にある「家具、照明、金物、食器」なども同じように心掛けなければならないと痛感。
これからはその辺りも作り込んでいきたいと思います。
また今回ご協力いただきました皆様、ありがとうございました。
ステンレス加工:株式会社トヨオカ 様
南部鉄器風塗装:株式会社太陽塗装 様
お蔭さまで良いものができあがりました。
何より、こうしたものを作る機会と与えてくださったクライアントに感謝致します。
どうもありがとうございました。







